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2026.2.12【建築AI】成功率はたった20%?パース動画化の裏側公開

最近、業務でAIを活用した動画制作や画像修正を行う機会が増えてきました。
特に今は「建築パースの動画化」に力を入れています。

動画の長さにもよりますが、制作期間は大体1日、長くて2日ほど。
こう言うと、「AIなら一瞬で動画ができるのでは?」と誤解されがちですが、
実際はそう簡単ではありません。

確かに生成スピードは速いのですが、「そのまま使える動画」が一発で出ることは、ほぼありません。

今日は、「建築パースの動画化」の裏側で何が起きているのか。
少しだけリアルな現場の話を共有します。

1. 「成功率20%」のガチャとの戦い

現在の動画生成AIは、一発で完璧な映像を出してはくれません。

「建物や窓がぐにゃりと歪む」「人が壁をすり抜ける」といった物理法則を無視したエラーが頻発します。
プロとして使える素材は、体感で10回に1回程度。

たった1分の動画(約8カット)を繋ぐために、裏ではその5倍以上の「ボツ動画」を生成し、
ひたすら選定を繰り返す作業が続きます。

2. 建築パースだからこその「高すぎるハードル」

ファンタジー映像や抽象的なアートなら、多少の歪みも「味」になります。

しかし、私たちは建築のプロです。「建築としての整合性」を守ろうとすると、
AI動画制作の難易度は一気に跳ね上がります。

「動きは面白いけど、サッシの割付が変わってしまったからボツ」

「光は綺麗だけど、外壁の質感が違うからボツ」

「デザインが変わっていないか? 構造がおかしくないか?」

この整合性チェックこそが最大の難関であり、AI任せにできない「人間の仕事」です。

3. 「簡単そうに見える」がゴール

AIツールは魔法の杖のように見えますが、実際は「非常に気難しい職人」を相手にしているような感覚です。
指示(プロンプト)が少しでも曖昧だと、全く違うものを作ってきます。

そのため、1日で仕上げるには、次のような泥臭い作業が不可欠です。

完璧な元画像の用意:動画にする前のパース(静止画)の時点で、AIが理解しやすい構図を作り込む。

動きの制御:「どこを動かして、どこを固定するか」を秒単位で指定する。

編集でのカバー:AIでどうしても破綻する部分は、人の手による編集技術で違和感を消す。

これらは全て、「AIの力」ではなく「人の技術と判断力」です。

もし完成した動画を見て「AIってすごい、簡単そう」と感じたのであれば、
それは違和感を消すために裏側で必死に調整した証拠。制作者としては一番の褒め言葉です。

魔法のように見えるAI動画も、実は「膨大な試行錯誤と細かい修正」の積み重ねでできています。
そんな裏側を知っていただけると、AI動画の見え方が少し変わるかもしれません。

これからも、品質とスピードの限界に挑戦しつつ、新しい表現を模索していきたいと思います。

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ちなみに、冒頭の画像はAIで生成したものです。
このようなアングルで画像を書き出し、「昼から夜へ移り変わる動画」にしたり、
「見せたいアングルを2枚用意してシームレスに繋ぐ動画」を生成したりしています。

ただ、建物の規模が大きくなればなるほど、形が破綻しやすくなるのが現状の悩みどころ。
とはいえ、この悩みも近い将来には技術の進化で無くなるかもしれませんね。

株式会社インターデザイン

平岡

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カテゴリ:日々のこと,想うこと,ブログ,個人的に

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