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2021.11.1高級物件の条件
分譲マンション、賃貸マンションにかかわらず、集合住宅には高級物件といわれるカテゴリーが存在し、多くの場合、それは特定の地域に集中して見られる。
高級物件の明確な定義はないと思うが、地域において秀でた売値や賃料を維持していることが、分かり易いひとつの目安になるだろう。
分譲マンションの場合は立地と事業主によるヒエラルキーが支配的で、ほぼそれ以外の条件下で高級、高額物件になりえることは少ないが、
企画や仕様、デザイン次第では先の条件以外でも高級物件になりえることもまれにある。
手前みそだが、弊社で監修している分譲マンションにもそのような物件がいくつか…
賃貸マンションの場合、分譲のように財閥資本や電鉄資本など大手の参入は少なく、分譲ほどアドレスに縛られて価格が高騰するということもない。
また大手資本はプレハブ賃貸など、高級市場以外にシェアを広げているので、高級賃貸のサプライは地域ごとのローカルな資本に委ねられているように思える。
最近はこの高級集合住宅のデザイン依頼が少なくなく、事業主による、市場のカテゴライズと分析が進んでいること、顕著な格差消費が如実にあることを実感する。
ただそうは言っても、NYやシンガポールなどに比べ、ベーシックな賃料が低い日本では、高級賃貸において何十、何百という大型の箱が成立するわけではないので、
なおさら周辺市場に明るい地域のサプライヤーに優位性があるように思える。
今回渋谷で始まる新しいデザインは、地域に地盤を持ち、市場に詳しい事業主の案件。
提案のため市場を手探りながら、広域に集客できるようデザインをしているが、渋谷生活圏の富裕層に受け入れられるかがポイント。
今後も首都圏、関西圏、中部圏において賃料が30~50万円戸当たりを上げるレジデンスの需要は伸びるだろう。
デザインする自分たちはまず、消費者心理を紐解くことから始まり、ライフスタイルの定義に終始しながら作業を進めることになる。
ライフスタイルを明確にビジュアライズできれば、高級な空間はさほど難しいデザインではない。
むしろ今後は、こういった高級物件を周知する媒体がもう少し出てくれれば良いだろう。
カテゴリ:デザイン,ブログ