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2023.3.12人の手でしかつくれないもの

『跳躍するつくり手たち展:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー』

に行って来ました。昨年からずっと楽しみにしていた展覧会。

地球環境問題やテクノロジーの進化など、社会の在り方が見直されるなかで、

「人間こそがなしうることは何か」にフォーカスした今回の特別展。

デザイン・建築・映像・工芸・アートなど広い領域のクリエイター20組の表現を見ることができました。

 

展示は4つのセクションに分かれた構成となっています。

さまざまな作品があり見応えたっぷりでしたが、なかでも気になったものをいくつかご紹介。

第1部は、自然由来の素材と向き合い、人間と自然との関係性を強調する作品。

↓「乾漆」という奈良時代からの漆の加工技術を用いて漆の艶を最大限に引き出した作品や、

      

伝統的な桶に用いられてきた「柾合わせ」という技術を、幾何学的なデザインに落とし込んだ表現など。↑

 

つづく第2部は、地球環境や感染症など社会を取り巻く問題を表現したセクション。

↓環境を清潔にするための洗剤や道具が多量のゴミとして地球に蓄積している矛盾を描いた作品。

     

感染症と経済の混乱を描いた『ブロークンチューリップの塔』↑

 

第3部は、日常で使われる『もの』の命を 100年先につなぐためには?という問いをテーマに、

伝統工芸家らによる『100年後の修繕工房』の様子が作品として展示されていました。

↓こちらは、「金彩」という陶芸の技法を用い、

一度割れてしまった茶碗を再焼成して魅力ある器へと生まれ変わらせたものです。

「社会を修繕する」という作家のメッセージは、外リノの仕事や考えにも通じるものがあると感じました。

 

第4部では、アートとテクノロジーが融合する未来的な表現の数々が見られました。

冒頭写真もその一つ、光により硬化する液体樹脂をLED光で固め化学変化と人為の融合を表現したもの。

↑展覧会を締めくくるのは、ヴェネチアのガラス工房と協同製作したガラス照明。

こちらはインスタレーションなのでぜひ会場で見てみてください!

 

4つの異なる視点から、さまざまな作り手の表現を見ることができましたが、一貫して伝わってきたのは、

テクノロジーはあくまで手段にすぎず、未来を創造するエネルギーは

自然のうえに立つ人の問いや思考、関係性によってのみ生み出せるということでした。

そして、凄まじい速さで変化する時代だからこそ、立ち止まって深く考える時間が大切であり、

その‟時間”を与えてくれる展覧会だったと思います。

 

ちなみに、春の京セラ美術館も秋とはまた一味違う爽やかさがあってとてもおすすめです。

(外リノスタッフに加わってからやたらと建物の地面と天井に目が行くように……)

この展覧会は6月まで開催しているようなので、春のお出かけにぜひ足を運んでみてください!

 

 

塩田

 

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