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2025.10.2210月19日開催
外リノ見学会のレポート

先日は、外リノ見学会 in 東京を開催しました。

昨今の建設業界は、資材価格や人件費の上昇による「建築コストの高騰」という深刻な課題に直面しています。

多くのオーナー様や事業者様が、「コストと物件の魅力」をいかに両立させるかというジレンマに苦慮されていることでしょう。

このような市場環境に対し、私たちは「単なる改修デザインではなく、限られた予算で最大の収益効果を生む」ためのデザイン戦略をご提案してきました。

そして、その外リノのロジックを新築計画に応用したのが、今回のテーマである「外リノ新築」です。

新築計画の初期段階から、限られた予算を「収益効果を生む部分」へ戦略的に分配し、コストを最適化しながら周辺物件を圧倒する差別化と集客力を実現する。

今回の見学会では、この「外リノ新築」の考え方を適用した3つの好例をご覧いただきました。

 

見学物件① (板橋区 / 鉄骨造3階建 / 総9戸 / 2025年夏 竣工)

さて、まず初めに向かったのは、この夏に竣工したばかりの外リノ新築。

  • 課題: 駅から少し距離があり、専有面積も約18㎡台と限られる中、周辺相場より高めの家賃設定で集客することが課題でした。
  • コンセプト: シンプルなアーバンデザインによる新しいランドマークの創出
  • デザイン戦略: 視覚効果の高い工種に絞り込むことによる戦略的なローコスト化

ターゲットを「上京してくる若者」に設定。塀の上で目立つ立地を活かし、視覚効果の高いグラフィックや

ライティングといった要素に工種を絞り込むことで、戦略的なローコスト化を実現しました。

シンプルながら洗練されたアーバンデザインは、道行く人の視線を集める新たなランドマークとして、

ターゲットである単身者に強くアピールします。

竣工時期を考慮すると、順調な入居状況となっています。

 

また、こちらの物件では住戸内も見学させていただきました。

室内は、淡いブルーのアクセントクロスと照明のスポットライトが良いアクセントとなっており、

シンプルながらも家具の配置次第で入居者の個性が光るお部屋になりそうだと感じました。

お部屋自体はコンパクトな設計ですが、道路よりも高い位置にあるため窓からの景色はとても良好です。

さらに大開口の窓が採用されており、圧迫感を感じさせない開放的な空間となっていました。

近くに比較的大きな道路が走っていますが、室内は驚くほど静かで、快適に過ごすことができそうです。

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見学物件② RUGIENS北赤羽 (北区 / RC造4階建 / 総16戸 / 2025年 竣工) ギャラリーはこちら

続いては北赤羽の物件です。

  • 課題: 不利な条件とされやすい「旗竿地」の形状を踏まえ、道路面からの視認性を考慮した効果的なデザインが必要でした。
  • コンセプト: 旗竿地の価値を最大化する独創的な演出
  • デザイン戦略: 悪条件を「独自性」で資産価値に変える逆転の発想

旗竿地という特性をあえて逆手に取り、“隠れ家”としての価値を創出した物件です。一見して用途が理解できないほどの独創的な外観、

鮮烈な印象を与えるボルドーやエンブレムは、SNSや集客サイトでも映える”唯一無二の建築”としての魅力を放ちます。

環八通りから見える建物上部には照明とサインでインパクトを持たせ、アプローチには受壁を設けて設備関係を隠すなど、細部まで計算。

不利な条件を資産価値へと転換する、新しい魅せ方を実現しました。

 

 

 

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見学物件③ PUCELLE王子神谷 (北区 / RC造5階建 / 総12戸+事務所 / 2025年 竣工) ギャラリーはこちら

こちらが最後の見学地、王子神谷にある物件です。

  • 課題: 競合物件がひしめく駅前の激戦区。接道面しか見えないため、雑多な街に埋没しない個性のある「顔作り」が求められました。
  • コンセプト: 選択と集中による「ピンポイント豪華主義」
  • デザイン戦略: コストをかける部分を意図的に絞り、差別化とコスト管理を両立

全面的なコスト投下ではなく、投資する箇所を意図的に絞り込む「ピンポイント豪華主義」を採用。

入居者や来訪者の目に最も触れるエントランス導入部や、建物の顔となる外観の一部にデザイン投資を集中させ、建物全体の印象を格上げしました。

ダークグレーの大きな壁面でクラシカルな印象を与えつつ、奥まったアプローチは照明で演出し、内部はカジュアルなサインで親しみやすさを加えています。

建築費高騰時代における、賢明な差別化戦略のモデルケースです。

 

今回ご参加いただいたオーナー様方にとって、デザインをどれだけ反映させながらコスト削減につなげるかは、常に重要な課題です。

しかし、私たちがご提案する資料だけでは伝わりきらない「実物」のスケール感や質感があります。

実際に物件を見て、「この大きさのサインでこのくらいの費用感か」「この照明の配置は効果的だ」「この材料はとても良い」といった具体的な発見を、

ご自身の目で見て、触れて、話を聞きながらノウハウを得ることで、デザイン戦略がコストとどう結びついているのか、深くご納得いただけたのではないかと思います。

今回得られた経験は、オーナー様方の今後の事業展開において、きっとお役立ていただけることと存じます。

同時に、私たちインターデザインにとっても、オーナー様方がどのような視点で物件を評価し、何を求めておられるのか、その意図を直接伺うことができる、非常に貴重な経験となりました。


番外となりますが、こちらはインターデザインがデザイン監理を手がけた分譲マンションです。

当日見学した「外リノ」物件のすぐ近くに、大和地所レジデンス株式会社様の東京都北区にある物件、せっかくの機会ということで、皆様をご案内させていただきました。

 

やはり分譲マンションともなると、賃貸物件とはまた異なるスケール感があり、その迫力と豪華さは桁違いです。

ご参加いただいたオーナー様方も、ディテールの作り込みなどを大変興味深く観察されており、

当初の計画にはないルートでしたが、皆様に大変喜んでいただけたご様子でした。

 

今回の見学会では、それぞれ異なる課題に対し、外リノのデザイン思考をいかに適用し、付加価値を創出したかをご紹介しました。

建築コストが高騰する今だからこそ、予算を「どこに使うか」というデザインの戦略が、物件の収益性を大きく左右します。「外リノ新築」は、その最適解の一つです。

インターデザインは、これからもデザインの力でオーナー様・事業者様の課題解決に貢献してまいります。

 

ご所有物件に関する無料個別相談は随時受付中ですので、お気軽にお問い合わせください。

お問合せ

株式会社インターデザイン

平岡

◎大阪オフィス
〒541-0054大阪市中央区南本町2-2-2 明治屋南本町ビル
PHONE 06(6271)5566・FAX 06(6271)5577

カテゴリ:日々のこと,新着情報・トピックス,見学会,ブログ

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