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2025.7.24照明の効果

先日、東京の王子にて新築賃貸マンションが竣工しました。
基本外壁は黒く重厚な雰囲気ですが、都会的でクラシックかつフォーマルな面構え。
仕上がりも良くオーナー様にも喜んでいただけた印象です。
そんな中、ここに限ってではないですが最近個人的に思うところが、「ライティング」です。
照度計算のような法に関わる部分は設計会社様や照明メーカーにお任せしますが、
意匠に関わる部分は弊社にてじっくり選定しています。
何をもってここに最適なのか…
限りなくベストなもの。そしてなんといっても格好よく洒落たように見せたい…
魅せ方・考え方・配置・照明本体の色・サイズ・色温度・照射角度 etc…
そのあたりを本物件に沿ってさらっとご紹介したいと思います。
まずは夜景の全体写真。室内から漏れる照明込みですごく綺麗です。
壁面のペイントサインや光文字は写真左側の電柱と被らないようこちらの配置としています。
サインなどはしっかり効果のある配置となるよう周りの状況も加味して検討しています。
ペイントサインを照らすスポットライトは元々壁面上部を照らすものでしたが、
冷媒管との関係上光が遮られるため、向きを変え再配置しました。
化粧モールを照らすスポットライトは、また先ほどとは異なるタイプ。
化粧モール自体に奥行きがあるので、単にスポットライトを当てるだけではタイル面まで届きません。
そのため脚の長いタイプを選定し、モールとタイルの両方を照らせるようにしています。
今回使用のタイルは釉薬で光沢があるので、より照明との相性の良さを感じます。
こちらが検討段階のCGパースと指示資料。他の部材との干渉も避けながら最適な配置に。
実際にこの配置でどう見えるのかも確認します。
次はアプローチ部分。
隣地の壁面が赤くなっているように錯覚。
実は塗装したボルドーカラーが反射してそう見えているのです。
自然と小径のアーケードのような特別感を感じさせます。
デザインを入れる前にグーグルマップで現地状況を確認し、
壁面に反射することも若干想定しながらデザインしました。
こちらは現地で確認しても出来が良く、オーナー様も喜んでおられました。
照明ひとつとっても沢山の種類がありますが、
インターデザインでは下図の様に “色温度” を特に意識して選定しています。
良く使用する色が、2700K程度の電球色。
温かみや高級感、リラックス効果も感じられる。
室内のメイン照明向きではないですが、共用部の演出には有効な色味です。
コンセプトや魅せ方によっては変えることもありますので、適材適所で使い分けています。
あとは最近ですと照射角度についても熟考しています。
上図はスポットライトの照射角度です。
目的によっては10°以下で細く照射したりもします。
他物件ですが、こちらも10°以下の照射角度。
光量が大きいタイプだと外壁を照らしたりサインに当てたりすることも演出として有効です。
簡単にご紹介しましたがまだまだ書き足りないですね。
弊社主催で行うリノベーション物件の見学会では、「これはどこのメーカー?どの品番?」
と聞かれることも多く、照明やタイル等、気になる方も多いのではと思います。
今後はどの物件でどの品番・メーカーを使っているのか、
分かるようなページや記事も作成しようか検討中です。
株式会社インターデザイン
鳴瀬
◎大阪オフィス
〒541-0054大阪市中央区南本町2-2-2 明治屋南本町ビル
PHONE 06(6271)5566・FAX 06(6271)5577
カテゴリ:デザイン,サイン,現場より,想うこと,ブログ,事例,照明,竣工検査,塗装,モールディング
2025.7.16EXPO 2025 OSAKA【建築編】

アート編、パビリオン偏と続き今回ご紹介する内容は建築編です。
大阪万博の最大の建築物にしてメインの大屋根リング。
設計、監修を手がけたのが、万博会場のデザインプロデュースも務めている建築家、藤本壮介です。
大屋根リングは一周約2キロメートル、高さ20メートルの巨大な木造建築物であり、ギネス世界記録にも認定されています。
こんなにも巨大な建築物、どのような構造が用いられているのかというと日本の伝統的な「貫」を用いた工法で造られています。
(貫=木造建築で柱と柱の間を水平方向に繋ぐ横材)
この貫を使った構造は誰しもが知る清水寺でも用いられています。
くさびを用いて柱と梁を連結しますがこの大屋根リング、木のくさびのみでは強度が足りないため金属製の特殊なくさびが使われ構造を保っています。
柱の間隔もヒューマンスケールで考えられており、3.6メートルと住宅に近い間隔で配置されています。
リングの下では若者から年配まで、お弁当を食べていたり、ベンチに腰を掛けている人やレジャーシートを敷いて休憩されてる方たち、多種多様に空間が使われている様子でした。
休憩しているだけでも木のぬくもりを感じたり、圧巻するその構造に飽きがないので非常に有意義な時間が過ごせると思います。
大屋根リング上部では草花が芽吹き、人工的な植栽を感じさせないような配植の仕方で、丘の上に立っているような感覚でした。
地上から海側のリングを見たときに、リング上にある反射板が空と同化し浮いているように見えました。
大屋根リングは巨大な建築物だが閉塞感がでないような造り、工夫がとても多くみられ、こういった手法は高層ビルや住宅にも応用できる部分がたくさんあるのではないかと思いました。
近年では世界的に見ても木造が注目されており、日本でも木造高層ビルの計画も相次いで発表されています。
大屋根リングもこれからの木造建築物の足掛けとなるような新しい取り組みが沢山あるので、この先の建築物も楽しみです。
最後にパビリオン偏では紹介されていないパビリオンについても少しだけ触れたいと思います。
このポルトガル館は日本の著名な建築家・隈研吾氏がデザインしたパビリオンです。
パビリオン自体にはリサイクル漁綱やサステナブルな素材が使われており、約一万本もの吊り下げられたロープが印象的なデザインとなっています。
ロープの隙間からは太陽の光が差し込み、風が通り抜け、ロープが揺らめき、海洋の動きのダイナミズムがパビリオンの「脱構築」によって表現されていました。
猛暑の中でもとても涼しく思えたパビリオンの一つです。
「いのちを磨く」のシグネチャーパビリオンnull²(ヌルヌル)
メディアアーティストの落合陽一氏がプロデュースしNOIZが建築デザインをしたパビリオンです。
この大小のパビリオンの外装幕には特殊なミラーが使われており、内部のロボットアームにより伸び縮みし歪んで見えるようになっています。
パビリオンの目の前に行くと重低音に合わせミラーが細かく振動しているのが目で見てわかりました。
残念ながら抽選に当たらず中へ入ることはできませんでしたが、外から見ているだけでも視覚と聴覚で体感することができるパビリオンでした。
これにてEXPO 2025 OSAKA【建築編】は終了となりますが、
再度大阪万博に行った際、新しい発見があればブログでお伝えしたいと思います。
まだ万博に行けていないよって方がいましたら是非足を運んでみてください。
株式会社インターデザイン
平岡
◎大阪オフィス
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2025.7.15現地調査 / 兵庫県姫路市

インターデザインのリピーターの方からリノベーションのご依頼をいただき、
さっそく現地調査のため姫路へ。
私の地元からも近いため少し帰省したような気持ちに。
こちらが今回のリノベーション物件。
良くも悪くも時代性を感じる面白い建築形状。
特にこのR形状は今ではなかな見ることのできないものかと。
ご依頼のオーナー様はこの土地の地主様のため、旗竿地の奥にも最近建てられた新築があります。
こちらの新築やアプローチにも絡めながら、本物件のリノベーションデザインを考える必要がありそうです。
撮影日はカンカン照りのピーカン。
滝汗の中どう調理していこうか考えながらひたすら撮影。
今後が楽しみです。
株式会社インターデザイン
鳴瀬
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2025.7.15EXPO 2025 OSAKA【パビリオン編?】

ひとつ前のブログで記述がありました通り、先日大阪万博へ足を運ぶ機会がありました。
前回のブログはアート編でしたがこちらは建築編というよりも、パビリオン編かもしれません。
大阪万博が開幕されてから折り返し地点となりますが、先日はかなりの猛暑で日暮れの時間まで滞在することは叶いませんでした。
少し前にも万博会場にはお邪魔していて、その際は夜をメインで楽しむことができたのでそちらも含め紹介したいと思います。
大屋根リングの前でお出迎えしてくれるミャクミャク
リングの上からは万博のパビリオンが一望できました。夜間という事もあり各国パビリオンのカラーが映えています。
この日は開幕してすぐに訪れることができたので海風でかなり涼しく、リングの上からパビリオンを幾つか眺めながら散歩をしました。
工夫して建設されているパビリオンを色々な視点で見れるのは有難いです。
ブルーオーシャン・ドームは「海の蘇生」海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護をテーマにしたパビリオンです。
3つのドームはそれぞれ竹、カーボン、紙といった自然素材や持続可能な素材を用いて構築されており、環境意識を反映しています。
最初のドームでは「水の循環」をテーマにした展示物。
他には、巨大な半球形のスクリーンに映し出されるCG映像を通じて、地球がプラスチックごみに覆われていく様子や、汚染によって苦しむ海洋生物の姿が巧みに描写されています。
これにより、観覧者は環境問題の深刻さとその解決への意識を促される仕掛けでした。
現在大人気のイタリアパビリオン、かなり並びましたが予約せず運よく入ることができました。
テーマは「L’Arte Rigenera la Vita(芸術が生命を再生する)」
「本物」の芸術作品にこだわり、「ファルネーゼ・アトラス」の彫刻は日本での展示は初めてだそうです。
入るとすぐ出てくるアトラスの彫刻は圧巻でした。
レオナルド・ダ・ヴィンチのコーデックス原本や、写真右側『キリストの埋葬』(普段はヴァチカン美術館展示)
かなりの数の作品が展示されており、本当に美術館にいるようで見応えがありました。
アメリカのパビリオンは「共に創出できることを想像しよう」をコンセプトに、映像をメインにキャラクターが説明してくれるシステム。
今回このブログのサムネイルでもある、話題の「月の石」1970年の大阪万博ではアポロ12号のものでしたが、今回はアポロ17号のもの。
観覧時間も少なく触れることもできないですが、神秘的で感動しました。
並んでいる最中、巨大なスクリーンで映像が流れていたり少し先に進むとjazzを生演奏&歌唱しているステージがあり、退屈することなく入場できました。
発想がオシャレですね。
アゼルバイジャンのパビリオンは「持続可能性への七つの架け橋」をコンセプトに、入口から女性を模したオブジェが回転しながら出迎え、
そのまま奥に進むと民族衣装や楽器、主要産業などを紹介していました。
他のパビリオンに比べるとコンパクトな展示会場だったので気軽に見ることができて良かったです。
他にもタイミングよく複数のパビリオンを見ることができて、万博を満喫できましたが次回の建築編に期待して、紹介はここまでにしておきます。
夜に散策するのも特別感満載です。まだ訪れたことのない人は是非。
株式会社インターデザイン
古川
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2025.7.11EXPO 2025 OSAKA【アート編】

先日、ついに大阪万博へ行ってきました。
見どころはかなり多くお話ししたいことはたくさんありますが、
美術館好きをうたっている私としてはやはりアート作品は外せないところ。
ということで、”アート編”と題して、少しだけ万博の感想をお伝えします、、!
冒頭の写真は、オノ・ヨーコの《 Cloud Piece 》
世界中の人や文化が集まる万博会場の中心で、
「空」という、ある意味、世界共通の一つの景色をバケツに集めて見ている、
そんな、静かな平和を心の中に感じられる体験から始まった万博散策。
会場の中心にあるこの静けさの森では、森全体を舞台にアートプロジェクトが開催されていました。
万博会場とは思えない、不思議な森に迷い込んだかのような静かな雰囲気。
↓こちらは、レアンドロ・エルリッヒの《 Infinite Garden 》
エルリッヒは、アート好きなら誰もが一度は目にしたことがあるであろう
金沢21世紀美術館のスイミングプールの作者。
4つの異なる空間に、日本庭園やサボテン園など多様な庭が設けられ
対面する面に貼られた鏡によってどこまでも空間が無限に広がっていく作品。
他にも、ピエール・ユイグ作品など多様な作品が森に溶け込んでいました。
パビリオンの人混みに疲れた人は、緑の中でほっと一息つくのもいいかもしれません。
他にも・・・・
↓フランス館にて。館内にいくつも置かれたロダンの手の彫刻。
「創造する手」や「形づくる手」をコンセプトに
フランスのサヴォアフェール(一般的に「匠の技」などと解釈される)を紹介。
先進技術や新しさが溢れる万博ですが、それらを生み出すのはいつの時代も
人間の考える力と、創り出す”手”なのだと思い出させられます。
パビリオン以外にも、会場のいたるところにアート作品が散りばめられていて見どころ満載です。
もちろん、パビリオン含め建築物も見ごたえたっぷりです。
建築についてのレポートは、、、他の外リノデザイナーからまた紹介があるかもしれませんね。
せっかく大阪に住んでいるので、何度も足を運びたくなりますね。
株式会社インターデザイン
塩田
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2025.7.16月28日開催
外リノ大阪見学会のレポート

先日は、約1年ぶりとなる大阪見学ツアーを開催しました。
近年、中古マンション価格の高騰、工事費の高騰を受け、中古リノベーションの動きが減速しています。
その反面、首都圏や関西都市部では、通常の新築に手を加えて商品価値を上げる新築リノベ、
物件の価格上昇が比較的緩やかな地方では、エントランスや大規模なリノベーションの需要があり、
外リノにご依頼いただくお客様の物件特性や事業目的も多様化しています。そこで、
●新築リノベで得られる新しい収益とは?
●コストを意識したデザインとは?
●材料のトレンドに左右されないコンセプトとは?
など、今後のリノベ・新築のヒントについてじっくりお話しさせていただきました。
見学物件① ウォークフォレスト御幸町 (都島区 2018年竣工 RC造 10階建 総42戸) ギャラリーはこちら
さて、まず初めに向かったのは、見学会では初公開となる外リノ新築。
不動産会社を営まれている企業オーナー様の初の賃貸マンション経営として企画された物件。
最寄り駅から徒歩15分強と、駅近くとは言い難い立地と、周辺には競合物件も点在するという条件で、
計画当初からペット対応マンションで集客力を上げるという企画があがっていました。
外リノが注力したのは、内見者が一目見て建築の上質さを感じ取られるデザイン。
比較的入り組んだ住宅地が多いことに着目し、外観や植栽のデザインで開放的なリゾートの雰囲気を演出。
また、エントランスホール内部はエレベーターまで全てガラス張りで見渡せるように工夫を施し、
女性入居者と、ペットを飼うことを意識した開放性と明るさを持たせています。
新築、中古マンション問わず、“内見時の印象付け“はデザインにおいてかなり意識している部分です。
エントランスのレイアウト・マテリアルへのこだわり・照明計画などあらゆる要素で、
内見時に入居者の琴線に触れるデザインを取り込んでいます。
実際、外リノ経験者のお客様から、「内見に来た人は100%入居が決まった!」
という大変嬉しいご報告もいただいております。
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見学物件② Nakazaki No.66 (北区 2018年竣工 RC造 8階建 総13戸) ギャラリーはこちら
次にタクシーにて中崎町へ移動。1階にテナントショップが入る外リノ新築。
炎天下でしたが、さすが週末ということもあり周辺は賑わっていました。
計画当初、店舗と入居者スペースの区別、他物件との差別化、店舗ウケするデザインが課題でした。
エントランス一部に施したブルックリンスタイルのレンガタイルとこだわりのサインが特徴的。
吹付タイルなどの比較的安価な材料を、安っぽく感じさせない使い方・工夫をいつも重視しています。
このようなプロセスが、結果的にコスパの良いデザインへとつながるとご好評をいただいています。
こちらの物件は竣工後すぐに、話題のコーヒーショップのテナント入居が決まり、
現在も満室経営継続中と、外リノでファイナンスとリーシングに成功されている事例です。
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見学物件③ 常磐町ビル (中央区 1970年竣工 2023年外リノ RC造4階建) ギャラリーはこちら
最後は谷町の外リノ物件へ移動。
1970年竣工の築古ビル、外観や共用部に大胆なグラフィックを用い、
新しい令和のビルへの再生を図りました。
各材料が持つ印象や、材料のトレンドに左右されないコンセプトの打ち出し方についても詳しくご説明。
また、やはりオーナー様が気にされるコスト面において、工手が増えると人工も増加するため、
デザインに係る工手部分をいかに制限できるかという点については大変興味深いご様子でした。
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この他にも、移動中に点在する外リノ物件前にも立ち寄りながら、計6件の外リノを見学。
非常に内容の濃い見学会になったのではと思います。
参加者様からも、ホームページだけではわからなかった工夫を知ることができたとのお声も。
皆様にとって、少しでも有意義な時間となっていましたら幸いです。
次回のイベントは9月頃、関東にて開催を予定しております。
ご所有物件に関する無料個別相談は随時受付中ですので、お気軽にお問い合わせください。
株式会社インターデザイン
塩田
◎大阪オフィス
〒541-0054大阪市中央区南本町2-2-2 明治屋南本町ビル
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