当該建築が本来持つ造形や建築主のこだわりは本質的に継承されなけらばならないが、時代背景を考慮するうえでその解釈はタイムリーに見直す必要性があった。大地に根を張り、水平に伸びやかな当該建築は、20世紀初頭、ライトが得意としたプレイリースタイル、草原様式を強く感じさせる造形。草原から天高くスパンを広げた建築は大きな大樹の様であり、今回新たにサンドカラーで引き締まった重厚なボリュームは、いやが上にも地域のランドマークとして存在感を示すことになる。また大きな建築には視線を受け留める建築的ハイライトと、威圧感を軽減させる親しみや穏やかさも持ち合わせている。今回は草原や大樹から大自然を印象させるアースデザインを念頭に、オージープランツな植栽やロックガーデン、間接的なライティングなどヒーリング要素と高級感を詰め込んだ外観としている。また、内部においても、陶器質の深いグリーンや角の取れたラウンドのエントランス空間、賃貸集合住宅におけるSDGsの意識を高める要素を取り入れた。地球規模の快適な集合住宅を目指して、新しいEmiusへ。

• 外観エントランス
• ホール
• 外壁カラーリング
• その他共有部