外観デザインは100年後まで

カテゴリ:ブログ


インターデザインが入居するビル、旧明治屋ビルは大正13年竣工、おん年95歳のご高齢ビル。
主にデザイン系や写真スタジオ系、インテリアメーカー系やバレエスクールなど、
多岐にわたるクリエイティブ企業が多くフロアーを埋めている。
そして何より空室が出るとすぐに埋まってしまうような、とても人気のある建物。

 

残念なことに創業オーナーから代替わりした会社の管理状態は最良とは言えず、
テナントはそれなりに不便を承知しながらもこのビルでの営業に努めている。
でも何故そんな古くて不便なビルの人気が途絶えることなく続くんだろう?

 

そんな問いかけから始めているここ最近の「外観リノベーション・セミナー」
ひところの家主や投資家の参加者から少し様変わりし、
最近は外観リノベーションの勉強をしようという参加者が多くなったことで、
デザインの効果や意義をわかりやすくお話しするようにしている。

 

人が建物のいで立ち、つまり外観から直感的に好き嫌いを判断し、
一度好きになってしまうとその脳裏から離れずにいる心理現象を
賃貸ビジネスに置き換えて聞く。

 

それは社会的ストック(空き家、築古建築)の活用となり、
経済が停滞し、収入が増えにくい状況下で消費者の生活を豊かにして行ける。
そしてなにより、オーナーの利益に直結している。

 

人の営みの根源である“衣・食・住”のうち、クオリティの高くなった
衣、ファストファッションや、食、ファストフードはすでに長らく社会に浸透し、
消費者の生活を楽にしている。(日本のマクロ経済的にはよくないんだろうけど‥‥)
他方で居のリテラシーはいまだに乏しく、
安かろう悪かろうの昭和資本主義から脱却できていない。

 

これは、賃貸不動産業に大資本の存在が無くて、
圧倒的に個人経営主体のサービスとなっている理由に他ならない。

 

個人経営のリーズナブルな住宅がある日突然、友達を呼びたくなるような個性的洒落た外観に変貌したらどうだろう。
しかも賃料は据え置きで‥‥。

 

デザインのパワーは経済を変える大きな力を持っている。
生活のすべてにデザインは浸透している。
要はその使い方次第。

 

明治のころ西洋との食品貿易を手広く営んだ明治屋創業者、磯野計氏。
きっと西洋文化に触れることでデザインの重要性を理解し、
この旧明治屋ビル設計を、当代きっての建築家、曾根達蔵へ依頼した先見の明は理解できる。
またそれは、100年後のビルの人気が実証している。